テクニカル分析において大切なものとして、「支持線・抵抗線の認識」、「トレンドの発見」、「パターン認識」があります。「支持線・抵抗線」から解説をはじめます。
「支持線・抵抗線」とは、売り方と買い方の勢力が逆転した水準を結んだ線です。波の動きが反転した頂点同士、底同士を結んだものですが、上昇しようとした動きの頭を押さえる形になるので「抵抗線」、下がろうとしているものを下で支える形になるので「支持線」と呼びます。
線の引きかたは、支持線・抵抗線は過去にもみ合って反転したところを結びます。
上昇トレンドにあるときはこれ以上に下がらない目安に「支持線」としてボトム同士を結びます。下降トレンドにあるときはこれ以上に上がれない目安に「抵抗線」としてトップ同士を結びます。その際、複数の転換点があることが一般的ですが、より緩やかな傾きとなるものを優先させます。
一連の動きとして、トレンドが上昇していき、今度は下降に転じたときの線の引き方は下図のようになります。
上昇中のトレンドラインは下側に引き「強気支持線」ともいい、下降中のトレンドラインは上側に引き「弱気抵抗線」ともいいます。(それぞれの上下反対側に引ける線をアウトラインといい、その振れ幅をチャネルといいます。)ここで注目していただきたいのは、上昇中のトレンドラインを下回り、下降トレンドに転換した点です。
しばらく一定の方向性で推移してきた相場も、いつまでもその方向性であることはありません。その変化を知ること、即ち「トレンドの変化」、「トレンドの転換点」を知るためのシグナルが下図のようになります。
トレンドとしては変化していなくても、その振れ幅範囲の中で行ったり来たりを繰り返している状態を「もみ合い」といいます。もしくは大きなトレンドの中に存在するので「中段もみ合い」といいます。
もみ合いのパターンは多くありますが、代表的な「三角もみ合い」を例にとると、ブレイクした際の価格目標値は三角形を形成したときの振れ幅と同程度であることが多いといわれます。
様々なパターンの例を示します。
(4)トライアングルは、売り方と買い方とも、決定的な材料を得られないまま時間が経過している状態です。ブレイク点ではわずかなバランスの崩れで相場の反転現象が生じやすいので、その時点でどちらに放たれたかその方向についていくと良いといわれます。であるからこそ、投資家の多くが同じ行動をとりやすく、新たなトレンドが形成されるのです。
(6)下降三角形は、ブレイク後は下降しやすい。
(8)上昇三角形は、ブレイク後は上昇しやすい。
この2例については、感覚的に理解しやすいと思いますが、逆に
(10)下降ウェッジは、ブレイク後は上昇に転じやすい。
(11)上昇ウェッジは、ブレイク後は下降に転じやすい。
といわれます。下降ウェッジ型は、「買い勢力の需要」と「売り勢力の需要」の強さを時間の経過とともに考えると、当初は買い勢力が押されて値が下がっているが、急激に売りが進んだためブレイク点では売り勢力は放出をほぼ終え、このため反転しやすいといえます。上昇ウェッジ型は逆です。