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テクニカル分析の例

テクニカル分析の例

テクニカル分析とは、過去の値動きをチャートで表して、そこからトレンドやパターンなどを把握して、今後の株価を予想するものです。様々な手法がありますが、いくつか代表的なものを挙げます。

ローソク足チャート

ローソク足とは一定期間ごとの「四本値」を図式化したもので、チャートに描いて株価推移を見やすくしたものです。このロウソク足の形状や複数の並び方で株価推移の状況を把握しようというものです。四本値はある期間(日や週など)の次の4つのタイミングにつけた株価です。

  • [始値]一定期間内で、最初につけた株価
  • [高値]一定期間内で、もっとも高かった株価
  • [安値]一定期間内で、もっとも安かった株価
  • [終値]一定期間内で、最後につけた株価

ボリンジャーバンド

【標準偏差】

標準偏差(standard deviation: SD)とは統計学の指標の一つで、平均値に対する散らばり具合(ばらつきの程度)を知ることができます。

2SD(標準偏差の2倍)の範囲にはサンプルデータの約95%が納まるので、株価が2SD線に近づいた時にそろそろ逆の動きになるのかな、と考えます。ただし、トレンドが変わらないのであれば、という条件付きです。

何らかの強力な材料が出現して市場の流れが変わった場合、これまでの2SDを逸脱するサンプル数は5%を超えてきます。すなわち「2SDをブレイクする動き」であり「トレンドが変わった」ことを示しています。

【読み方】

買い検討時:下で2SDを超えたとき、1日は待つ。翌日も2SDを下回ってきたなら買い時ではないと判断。翌日は2SD範囲内に収まったなら買いシグナルと判断。1日2日待つことで絶好のタイミングを逃してしまうと考えるかもしれませんが、重要なことは「負けないこと」。格言「頭と尻尾はくれてやれ」です。

サイコロジカル・ライン

サイコロジカル・ラインは略して「サイコロ」と呼ばれます。サイコロジカル、すなわち「投資家の心理」を可視化しようということで考え出された指標です。一般に株価は上がり続けたり、下がり続けたりすることはありませんから、株価が上昇する日が続くと「そろそろ反落するのでは」と思う投資家が増えてきます。

【作成方法】

当日が前日に比べて高かった日、安かった日の日数を指数化します。

サイコロジカル・ライン = 12日間の内上昇した日 ÷ 12 × 100(%)

  • 12日間連続で上昇したなら、その日のサイコロジカル・ライン値 = 100%
  • 12日間連続で下落したなら、その日のサイコロジカル・ライン値 = 0%

75%以上は上がり過ぎ、25%以下は下落し過ぎ、というような見方をします。

※注意点:用いているデータは「日数のみ」で、「値幅を考慮していない」ことに弱点があります。サイコロジカル・ライン値が50%超であっても大きく下げ日がいくつもあったなら強い相場とは言えないはずです。

RSI(Relative Strength Index)

サイコロジカル・ラインの弱点が、用いているデータは「日数のみ」で、「値幅を考慮していない」ことを述べましたが、「値幅」に着目した式がRSI(Relative Strength Index)です。

 A:14日間の値上がり幅の平均

 B:14日間の値下がり幅の平均

 RSI = A/(A+B)× 100(%)

75%以上は上がり過ぎ、25%以下は下落し過ぎ、というような見方をします。

【RSIの読み方】

RSIは株価が過去一定期間に比べてどれくらい上(下)にあるのかを測る指標です。一定の値幅の中、すなわち一定のトレンドの中であれば、RSIが上位にある(買われ過ぎ)、下位にある(売られ過ぎ)という時には有効なシグナルが出やすいのですが、トレンドが変化した場面では読み方が異なります。

RSIが上位(買われ過ぎなので売ったほうが良いというシグナル)でも、上昇トレンドに変化したのであれば、売っていまうのはもったいない。

RSIが下位(売られ過ぎなので買い時というシグナル)でも、下降トレンドに変化したのであれば買ってはいけません。

他のテクニカル分析と併せて数日の様子を見てトレンド変化を確認するのが堅実策です。